AI解剖教室 · Part 6 トランスフォーマーを組み立てる
第59章 エンコーダー vs デコーダー
Q. ChatGPTの「GPT」とGoogleの「BERT」。どちらもトランスフォーマーなのに、何がちがうのでしょう?
- 2017年に生まれたトランスフォーマーは翻訳機でした。原文を読むエンコーダーと、訳文を書くデコーダーでできていました(第44章)。
- 2018年には、片方だけを取り出したモデルが登場します。エンコーダーだけを積んだBERTと、デコーダーだけを積んだGPTです。
- BERTは文全体を両側から見ます。途中の単語を隠して、前後の単語から空欄を当てる練習をします。
- GPTは前の単語だけを見ます。第51章の目かくしで未来を隠したまま、次の単語を当てる練習をします。
- アテンションの表で見ると、BERTは全部のマスが開いていて、GPTは対角線とその下の三角形だけが開いています。
- だからBERTは文を理解する仕事に、GPTは文章を一語ずつ書き続ける仕事に強いのです。
- ChatGPTは、デコーダーブロックだけを積んだGPTです。第54章から組み立ててきたブロックが、まさにこのデコーダーブロックです。
この章のまとめ
- もとのトランスフォーマー(2017)は、エンコーダー + デコーダーでできた翻訳機だった。
- BERT = エンコーダーだけを積む:両側を見て空欄を当てる。文の理解に強い。
- GPT = デコーダーだけを積む:前だけを見て(目かくし)次の単語を当てる。文章を書き続けるのに強い。ChatGPTもこちら。