AI解剖教室 · Part 6 トランスフォーマーを組み立てる

第61章 最初から最後までたどる

Q. ChatGPTが単語を1つ書くあいだ、中ではいったい何が起きているのでしょう?

  1. ここまで組み立てたGPTに「私は 今日 学校に」を入れて、最初から最後までたどってみましょう。
  2. まずトークナイザーが文章をかけら(トークン)に切ります。かけらごとに単語帳の番号がつきます(第29章)。
  3. 埋め込みが、番号ごとに意味のこもった数の列を取り出します。GPT-3では、かけら1つが数12,288個です(第33章)。
  4. ここに、何番目のかけらかを教える位置情報を足します(第36章)。これでベクトル3本がブロックに入ります。
  5. ブロックの中。正規化で大きさをそろえてアテンション!「学校に」は前の「私は」「今日」と自分自身を見ます(第45章)。
  6. 見た分だけ混ぜてきた結果を、高速道路の上の元のベクトルに足します(第56章)。数が少し変わりましたね。
  7. もう一度正規化して、フィードフォワードが単語ごとに考えを足します。その結果も元のベクトルに足します(第55章)。
  8. これがブロック1層です。同じことを96層くり返すと、ベクトルごとに文脈が積み重なります(第58章)。
  9. 96層を出た「学校に」のベクトルで、トークン50,257個に点数をつけます。行く3.0、行った2.1、遅れた1.5(第60章)。
  10. ソフトマックスで確率に変えると、行く52%、行った21%、遅れた12%。全部足すと100%です(第14章)。
  11. 確率どおりに1つ選びます。「行く」! 文の最後につなげると「私は 今日 学校に 行く」になります(第1章)。
  12. そしてこの文をもう一度いちばん上に入れて、次のかけらを作ります(第2章)。ChatGPTの答えは全部この旅から生まれます。

この章のまとめ