AI解剖教室 · Part 10 ChatGPT以後の世界

第87章 考えてから答える

Q. AIに難しい問題を出すと「考え中…」と出ますが、そのあいだ何をしているのでしょう?

  1. 1問解いてみましょう。パンと牛乳で合わせて1,100円、パンは牛乳より1,000円高い。牛乳はいくら?100円が浮かびますね。
  2. この問題をモデルに出して「答えだけ書いて」と頼みます。最初のかけらから答えを選ぶので、もっともらしい「100円」が出やすいのです。
  3. 検算します。牛乳が100円ならパンは1,100円、合計1,200円。まちがいです!かけら1つに使える計算は、モデル1回分だけです(第2章)。
  4. 「順を追って解こう」で始めます。牛乳がx円ならパンはx + 1,000円、合計はx + (x + 1,000) = 1,100。
  5. すると2x = 100、x = 50。牛乳は50円!書いた行を読み返しながら次の行を書くので、難しい計算を分けてこなせたのです。
  6. 先に解き方を書かせる方法が、思考の連鎖(chain of thought)です。2022年の研究では、大きなモデルほど効果がありました。
  7. 最近の「推論モデル」はこれを訓練で身につけます。答える前に長い解き方を書き、正解した解き方に点数をあげる方法が知られています(第76章)。
  8. そのかわり、かけらをたくさん書くので時間がかかり、解き方そのものがまちがうこともあります。大事な答えは自分で検算しましょう。

この章のまとめ